【アソシエーション association】

アソシエーションとはフランスの非営利市民団体です。日本で言うところのNPO法人にあたり、2名以上の者が、利益の分配目的以外の目的のために、自分たちの知識や活動を共有するために結ぶ合意契約であり、不法な目的や利益を内部分配しない限り、広範囲にアソシエーションの設立が認められています。ただ、アソシエーションでも雇用（人材との労働契約）は可能です。社会における雇用創出の1つのスキームともいえます。

アソシエーションには以下の3つの形態があります。

1）無届のアソシエーション

※法的資格なし、手続き不要、定款、公的援助、財産所有権なし

2）届出をしたアソシエーション

※限定法人格の取得可能、法的権利あり、役所への手続き必要、

定款は原則自由、税制上の優遇措置と公的援助、会費徴収権あり

3）公益性を承認されたアソシエーション

※大きな法人格あり、届出ではなく認可制、国務院様式の定款必須、大規模な税制上の優遇措置と公的援助あり、その他特典あり。

●市民、国とアソシエーションの関係

ある統計によると、市民のアソシエーション参加に関しては、イベント参加が45％、アソシエーションの提供サービスを買うという人が43％、寄付金が12％いるようです。また、アソシエーションの年間予算の約40 ％が公的補助金であり、以下会費が43 ％、メセナが3％、私的寄付金が1％で、残りの13 ％が事業収益となっているようです。

●税制との関連性

アソシエーションも事業収入がある場合、税法に関係してきます。

A)商工業収益課税

・TVA控除されている団体、または年商60000Euro以下は非課税。

B）法人税

・組織の決算に収益がある場合、対象となる。ただ収益がなくても業界競合性の問題がある場合課税となるケースもある。

・農業収益、教育収益は非課税

C)TVA

・原則として教育、文化、社会関係の団体には非課税。

(が、会員数や民主性は考慮される。)

・年6回以内の慈善活動収益は非課税、

・イベント、コンサートは入場料収入が売上総額の1割以下なら非課税。

・その他、グッズ販売、宿泊、出版物、カフェは19.6％が適用される。

D)住民税

団体の専用事務所ではなく、公共の利用場所であれば非課税。

E）その他

・アソシエーションの会費、補助金は非課税。

・非営利活動、無償の教育活動などに対する寄付金は非課税。

・アソシエーションに寄付する者は寄付金の50－60％以内で税金控除の対象となる。

●通常の事業形態との違い

①アソシエーション経営の無私無欲・無償性であり、収益の不分配が基本となります。経営に携わる理事会メンバーは原則無給です。無償性というのは、収益がアソシエーションの活動事業に還元されることになります。

②原則、会員にのみしか販売・サービス提供ができないのが特徴です。

●実際のアソシエーションの数

ある統計によると現状1000万団体ほどがフランス国内に存在し、34％が年予算9千Euro以上の中堅組織、7％が年予算8万Euro以上の巨大団体（財団レベル）、そして59％は年予算7800Euro以下の中小規模団体（例えば年会費20Euro,会員50名程度など）とのことです。尚、何らかの公的援助を受けているのは50％以上ですが、これは市町村の政権交代にも左右されるという側面もあり、予算削減で消滅する団体も少なくありません。

※アソシエーションの実態を把握するのには不可能に近いといえます。解散の届出義務がないからです。

●具体的な設立方法と流れ

法人格を目的とした団体などの場合は以下の流れとなります。

①定款ドキュメント作成

②本拠地がある県の県庁もしくは郡の郡庁に申請→約5日で受領書交付

③受領書に基づいた官報への掲載依頼（43Euro）→正式公示

④各証明書を元に銀行口座開設

⑤税制優遇措置を受ける（事業収入が非課税）

⑥活動観察期間（最低3年）後に公益性を持つものとして認定を受けることも可能である。

→公益法人となる。公益性が認定された場合、更なる優遇措置と全ての民事上の行為が可能。

●関連サイト

アソシエーション振興サイト