スイス・プライベートサロン展示会

【スイスサロン展示会①-プライベートサロン参加1日目】

自然と芸術に満たされた連邦国家スイス。スイスでは地域によってフランス語・ドイツ語・イタリア語などが公用語となり、スイス式フランス語も使用されています。例えば「数詞の70」はフランスでは「soixante-dix」ですが、スイスでは「septante」、欧州言語学の歴史的繋がりを感じます。

さて、フランス人仲間の繋がりで、この度スイス国内のプライベートなサロン邸宅で日本文化展示をさせてもらうことになりました。場所はスイス人コレクターBernard Dunantさんのギャラリー兼邸宅。パリのMTG後に、サロン参加のためにParisのガールドリヨン駅からローザンヌ方面にTGVで向かいます。途中の「LeDay」「Arnex」で下車し、作品搬入などの所用を足しながら研修生をピックアップ。若干の遅延もありましたが、ようやく「Renens」周辺につきました。日本のガイドサイトには情報が少ない街だけあって、日本人は珍しく思われるようです。

道すがら、スイス連邦鉄道(SBB)の車窓からは中世ヨーロッパの街並みや城塞が見えかくれし、風情を感じずにはいられません。日本に時代村があるようにスイスにも中世村祭りがあります。立ちよったローマンモチエ地方では参加者が中世衣装のコスプレをし、昔ながらの料理を楽しむことも有りました。

さて、次回からはDunant氏のプライベートサロンでの展示模様を紹介します。同氏は日本文化が好きで仏像・掛け軸からイラストやアニメ画まで幅広く収集し、コレクター仲間たちをあつめてはワイン会を開いています。

今回は弊社が「北海道アーティスト」7人の作品を持参し、スイス人コレクターたちに紹介しました。邸宅内部や人物の写真は厳しいのですが、できる限りご紹介いたします。

【スイスサロン展示会② 2日目-ヴェルニサージュ映像上映会】

スイス人Dunant氏が開催するプライベートサロンには同じ趣味の写真家、デザイナーなど趣味人が集まります。中世の面影が残るギャラリー兼邸宅には、広い洋風庭園や室内遊技場、暖炉もあり、洗練された優雅な暮らしを感じさせてくれます。

ただし、人物や部屋の写真は許可が下りなかったので一部の風景でご容赦ください。

前回は仲間内で「クロサワアキラ」の展示会をしたようなので、今回は私が北海道アート作品を紹介するイベントにさせてもらいました。

初日はヴェルニサージュ(vernissage=オープニングパーティ)が行われエメンタールやグリュイエールチーズを片手にスイス産ワインを飲みながら、ゲスト達が談笑。ポリマークレイの造形美術家「y,collection 縁」さん、フランス展示を行う中学美術部「月寒東中学校美術部」さんの作品がまずは紹介されました。

北海道のアーティスト「y,collection 縁」さんは2018年12月にはフランス・パリのマレ地区展示会に出展。欧州でのアーティスト活動を本格的に実施しています。

弊社ではエディターと組んで「y,collection 縁」様のフランス語PR動画を制作し、サロンモニターでBGMとして提供。スイス人デザイナーのアンジェリーナさんは「縁さんのパリの展示会も見て見たかった」と感想を述べました。

★Yコレクション様PR動画

【動画はこちら】

★「y,collection 縁」様公式サイト

https://www.ycollection-en.com/

★「y,collection 縁」様のフランス語PR動画

https://www.youtube.com/watch?v=R45eCfE5hiM

【スイスサロン展示会③ 3日目-IKUE様紹介動画他】

スイスサロン3日目の展示模様。「切り絵アーティストIKUE」さんは、フランスJapanExpo、St-Gratien市展示会

やコンフラン展示会など数多くの出展もしている北海道アーティスト。同じく北海道の「SETSU」さんは緻密なアクセサリー彫刻でヴァルドワーズ県 ロータリークラブ展示会などにも出展経験があります。その他、「NYACK」さんの湯飲みや陶芸、「草餅」さんの和紙細工小物入れなど。

なお、「切り絵アーティストIKUE」さんのフランス語ショートフィルムもサロン内で上映。ゲストの1人・写真家のダヴィッド氏からは「IKUEさんの切り絵は色の選び方が綺麗だ。蜂や魚などモチーフのセンスもよいし、見ていて楽しめる」とコメントを頂きました。

★IKUEさん公式ブログ

http://ameblo.jp/nijixiroxbear/

★「切り絵アーティストIKUE」さんのフランス語ショートフィルム

【動画はこちら】

他には「イラストレーター小川けんいち」さんのイラストも紹介。小川さんの「相撲イラスト」や「しらかば」は日本独特のテイストを伝える良い作品になります。小川さんはパリ・ローマ・スイスなど各地での欧州スケッチツアーを行った国際的イラストレーター。素朴な街の情景や人々の暮らしを描くその画風は相変わらず人気の様子です。やはり日本独特のモチーフは人目を惹きますね。

★小川けんいちさんの公式ブログ

http://ken1world.com/

★小川けんいちさん欧州スケッチツアー

http://www.at-plan.eu/m-ogawa-art-tour

夜は香りのよいチーズフォンデュが振る舞われました。本場スイスのフォンデュではサクランボブランデー「キルシュ」を香味に使います。アルコールの味は濃いのですが、チーズの重厚さが増し味わい深くなるようです。チーズフォンデュ好きの方は是非、お試しください。

【スイスサロン展示会④ 4日目-月寒東中学校美術部】

飾られているのは「月寒東中学校美術部」の作品群。同美術部はフランス美術にこだわった活動を行う北海道の中学校美術部です。1947年開校、3年制で生徒数現在約530名。エッフェル塔などフランスモチーフのスケッチやフランス人講師招聘による「セザンヌ講義」の実施、ナンテール展示会に作品を出展するなどユニークな活動をしています。日本のサブカルチャーはスイスでも人気。スイス人画家たちは「日本の中学生のイラストを見ることができるのは楽しいものだ」「竹取物語や白雪姫など日本の中学生の感性を知る貴重な機会に感謝する」「日本はアニメやイラストが優れた国だし、文化の豊かさを感じる」とコメントしました。

★月寒東中学校美術部紹介ページ

http://www.at-plan.eu/Artistes/college

この夜はスペイン産のハモン、イタリア産プロシュートなどの生ハムを食べながら、ドイツ人ビジネスマンが持参したイエーガーマイスターを味わいました。イエーガーマイスターは狩人がよく飲む薬草リキュールです。肉類を食べながら夜長をするのに最適なお酒ではないでしょうか。

「まとめ」

最後に、今回快く自宅でのプライベートサロン参加を承認して頂いたDunant氏とゲストの方々にお礼を言いたいと思います。同氏からは「なにかイベントになる日本のアート作品」が欲しいと言われたのですが、そういうときこそ地方都市発の作品や日本独特のモノが良いのではないかといつも思います。どこにでもあるような商品よりも、地方独特の情景や価値観が表現できる作品こそ、アートを架け橋とした国際的な地域文化交流として有意義なのではないかと思います。

またアート作品のサロン展示とPR動画のタイアップも言語の壁を超えて、作品交流することの一助になれたと実感しております。これからも国際的な地域交流に貢献したいと考えております。