【Auto-entrepreneur フランス個人事業主制度】

【Auto-entrepreneur 個人事業主制度】 

2009年2月から上記制度がネット上で登録可能になった模様です。 
http://www.lautoentrepreneur.fr 

※あくまで参考情報として閲覧願います。 
詳細は担当部署に確認することをお勧めいたします。 


【はじめに】 
Auto-entrepreneur(以下AE)とは個人事業登録制度のことで、従来の制度より簡易且つ、低負担にて起業が始められるというのが特徴です。 
ただし、これは小規模事業を対象にしているので、負担減のメリットを 
受けるには以下の制約があります。 

一般商業の場合:年商8万ユーロ 、サービス業の場合:年商32000ユーロ 

①税制に関しては他の所得全体への統合も、こちらだけ源泉徴収の形にすることも可能。サラリエで多額の収入があり累進化税率が高い人の副業なら後者の源泉徴収が有利。この源泉徴収システムを選んだ場合、営業開始後3年間は、事業税(TP)が免除される。 

※副業の方は本業の社会保障料金に影響があるかもしれないのでURSSAFに要確認。 
※全般的に職業税(Taxe professionnelle)の免除可能=3年間という話もあります。(調査中) 

②付加価値税(TVA)の徴収義務免除 

③法人口座開設の必要がない→個人口座にて兼用。 
※そのかわり口座の個人名が見えてしまう。 

④Siren/Siret番号は取得できるが、RCS番号は取得できない。 
そのかわりRCSなしでも・商品売買業等が展開可能。 
つまりCCIではなくURSSAFで手続き。 

⑤年間社会保険料の最低納入額がないため、売上のない場合は 
支払い保険額もゼロになる。 


⑥利益ではなく、売上額に課税されるため、利益を出せない取引のときは赤字になる。 
■課税額~ 
一般商業:12% 、サービス業:21.3% 
サービス業(自由業):21.3% 、自由業:18.3% 

⑦AEの所得計算 
原則として、micro-BIC(BNC)として計算されるため、査定による経費(商業=71%、サービス業=34%)を差し引いた残額が所得とされ、その所得の通常通りに累進課税される。 

ほかに大きな所得がある場合はこの所得は源泉徴収で切り離したほうが有利といえる。Option pour le versement libératoire de l'impôt sur le revenu 
一般商業:1%、サービス業:1.7%、自由業:2% 

※所得税のforfaitにチェックを入れた場合、所得税率は減額される模様だが、3ヶ月に一回は自動納入され、その後払い戻す形式になる模様。 


⑧1つのAEの枠内で複数の異業種展開も可能。例えば映像機器の販売と食品販売と家庭教師サービスなどを同時に行える。 

⑨会計は時系列において収入と支出に関して、相手方/金額/収支内容/収支方法等を記帳したものを保存すればよい。 
請求書、領収書などは10年間保存する。 
※ただし複式簿記の義務はない。 
※事業者相手の場合、請求書を2通作成し、1通を保管。 
※個人相手の場合、15,24Euro以下であるならば請求書作成義務はない。 
※AEの場合、社会保険料も所得税も(経費の控除も)すべて取引高に基づいて計算されるため 

⑪事務所所在地の観点 
自宅を事務所にすることも原則可能。 
ただし、顧客先ではなく、宅内にて商業活動を行う場合、家主の許可 
や市長の許可が必要な場合があるので調査の必要あり。 
商業物件の取得も可能だが、RCS番号がないため、更新時の特典がない。 

⑫社会保障の観点 
AEが副業) 
サラリエが付随的にAE起業をする場合にはAEとしての社会保障費の支払い義務は生ずるが、社会保障等についてはのシステムがそのまま適用される。 
AEがメイン) 
独立自営業の社会保障システムが適用される。したがって、アロカシオン、疾病給付や払い戻しはサラリエと同じですが、病欠や出産に対する支払金額の計算は異なる。 


⑬老齢年金の観点 
基本四半期を積み立て、売上に関係なく四半期は積み立てられるが、各年の4四半期を積み立てるには、売り上げの最低金額制約がある。 
■最低額~ 
一般商業        24028Euro以上 
サービス業      13936Euro以上 
自由業        10558Euro以上 

  
上記に従い、AEの積み立て金額ではなく、普通の独立自営業の積立金額との差額を国が援助して支払ったものとして計算される。 
例えば、商業活動の場合で、20000euroの売上のある場合、上記のように社会保障費は、2400Euro(12%)。そのうち老齢年金積立分が843euroで、独立自営の積立額は、1343euroなので、差額(1343-843=500Euro)を国は援助金として補完してくれていることになる。 


⑭新規起業者に対する援助(Accre)が受けられる資格がある。 
事業の継続性に焦点が当てられやすい。注意事項としては、起業の書類を出す前にAccreの申請をする必要があるはずなので、まずURSSAFで要確認。 

===各事業形態との比較==== 

【会社設立との主な特徴】 

・例えば商品売買業であれば、商業登録=RCS登録が必須。 

・RCS番号によって商業物件更新に有利。 
また、対外的な信用も大きい。 

・付加価値税(TVA)の徴収義務、一般には19.6%。 

・年毎の会計監査義務 

・自宅を事務所にする場合、原則家主の許可が必要 

・その他:ここでは割愛 

【PLの主な特徴】 

・原則1つのPLでは1つの業種しか業務展開できない。 

・例えば商品売買業であれば、商業登録=RCS登録が必須。 

・PLの場合は、社会保険料の負担%はAE以下の場合もあれば以上の場合もある。 

・収入課税ラインによっては所得税、TVAも免除される。 
例えば家族1人あたり25195ユーロ未満の世帯年収なら所得税免除。 

・サービス業の場合、経費控除が一律で34%(AEと同じ) 


・その他:ここでは割愛 

【その他AEの詳細】 

■手続き 
公式サイトから申し込む。手続き完了とともにSIRET番号とPWを取得。SIRET番号とはビジネス上のIDであり、領収書など商業書類に表記することになる。PWによってオフィシャルサイトからアカウントページの操作をする。尚、このとき今後の手続きに必要な書類を郵送する。各四半期に売上をネット上で記入すれば、担当部署にて社会保障費と税金を自動計算し、口座より引き落とししてくれる。 

■展開可能なビジネス 
物販、サービス、コンサルタントなどほぼ全ての業種をカバーしてはいるが、食品・輸出入など個別認可が必要な業務はやはり申請を必要とする。対人サービスも可能だが労働監督局経由で各県知事の認可が必要。 

また下記の活動は対象外。 

・特別認可の必要な職業 
ー弁護士、医者、公証人、薬屋等 
・Micro-BIC(BNC)税制から除外されているビジネス 
ー不動産業など 
・被雇用者の形でのみできるビジネス 
ー俳優、ジャーナリスト等 
※パン屋、床屋、車の修理屋、美容師等は制約がある。 


■失業者への特典 
・AE収入が失業前の収入の70%を超えない場合には、15ヶ月間失業保険をもらい続けることが出来る。 
ただし保険支払額=失業保険全額ーAE収入 

■失業者への企業援助 
※Aide aux chômeurs créateurs ou repreneurs d'entreprise-Accre 
AEの登記をするときに申請すると、起業せずに失業手当を受けていたときの手当ての半額をまとめて資本金として受け取ることが出来る。 
失業者によるAEの起業の場合には更に、社会保障費が初年度は、通常の の1/4 、二年目は半分、3年目は 3/4 の支払いで済む。 


【まとめ】 
AEはバージョンアップ中の制度ですが、仏国内にて起業を考える人材にとっては非常に興味をもたれており、2009年の1-3月では12万の登録がされた注目の制度ともいえます。ただAEは起業の1つの手段に過ぎないため、ご自身のビジネスプランによってAEにされるか、PL,会社設立にされるかはよく検討されることをお勧めします。 

尚、上記情報の詳細は担当役所に確認していただく必要があるとは 
思いますが、皆様のビジネスプランの一助になりましたら幸甚です。