【小川先生とのフランス・アート紀行②(パリ後編)】

[1]フランスも地区によって風景は異なるので小川画伯のスケッチはとまりません。カフェのテラスで通行人をスケッチしたり、ギャラリーでの打ち合わせの合間にスケッチしたり。画伯はバイクも好きなので、ハーレーダビッドソンなどを見つけるとすかさず、ペンと手帳を取り出し書き出します。欧州に着てからスケッチのスピードやペンタッチが微妙に変わったということです。さまざまな経験を経てスケッチする感覚も大きく変化しているようですね。夜は日本人の仲間たちとフレンチレストランでジビエ料理を味わいながら、ボルドーワインで喉を潤しました。アートによる異国での交流は楽しいものです。

[2] 小川画伯のギャラリー展示会ももうすぐです。本日は衣装の準備のためにパリの和服店にいきました。着物だけだと足りないので、刀とか帯も購入。コーディネーターのMarieさんからもアドバイスを頂き、小物の準備も万端です。この格好で街中を歩くと話しかけられやすく、展示会のPRにも便利です。小川さんも着物を着ながら筆でスケッチをするとまた一層趣があり、アーティストのオーラが一段階上がったように見えました。やはり夏は和服が涼しくて快適ですね。

==============================================

[3] ギャラリーショワゼルの「北海道アーティスト展」初日です。天候も良くパッサージュ内の人通りも多いせいか、フランス系、アフリカ系、アジア系、アメリカ系などさまざまな人々がギャラリーを訪問してくれました。日本文化やアートはパリでも興味のある方が多いのか、日本に関する質問も数多く受けます。しかも結構日本や北海道のことに詳しい方も多いんですよね。ローマ、スイス等の各地をスケッチ紀行してきた小川画伯のスケッチにフランス人たちも感動している姿がとても印象的でした。言葉を超えたアート交流は今後も日本文化の発信として、また北海道のPRとして大きな成果を挙げるものと思います。今後の小川画伯の国際的な活躍に期待していきたいと思います。

[4] Sketch events in Paris miki France : summer party mix

パリのギャラリーにきた小川画伯。せっかくなので在仏日系企業とのスケッチコラボします。第一弾はメガネのパリミキ、パリ支店です。夏祭り会場で似顔絵スケッチをする小川画伯の周りには興味を示したお客様が列を作り、似顔絵を描いてもらいます。和服でスケッチしていると通行人のフランス人も興味を示し、よいPRになったのではないでしょうか?似顔絵団扇をつくったり、ときには自身のイラストブックを見せて談笑したり、終始楽しい雰囲気でイベントは行われました。コラボレーションっていいですね。

[5]

Kodai yayoi 's booth in Hokkaido artist expo Paris // 鼓代 弥生:札幌生まれ。ペン画を中心に描いていたが、2009年「描くだけじゃ足りない!」と感じ、木版にペンキ・アクリル絵の具で色彩を施し、彫刻刀で彫って仕上げる独自のアート手法【ぬりぬりほりほり】で制作を始める。今回は「北海道アーティスト展 in Paris」におけるもう1名の参加アーティスト。

--------------------------

[6]Sketch events in Yumi katsura France : summer party mix —

コラボ第2弾はウェディングデザインで有名な「Yumi katsura」さん。エミリさんの協力の下、英国から来た‘Hannaさんや日系企業勤務のフランソワのスケッチ丁寧にしあげました。ここでも画集「MATO」の注文が発生し、あとから宅配することになって、なかなかうれしいことです。早く欧州スケッチ画集が出るといいですね。ランチはスタッフのみなさんとフレンチレストランで美味しくいただきました。

[7] Sketch events in Mikihouse Paris France : summer party mix — Merci Mme.sonia

在仏日系企業コラボ企画のラストを飾るのは「MIKI House パリ」。スタッフが全員フランス人。、非常に気配りのきく、優秀な方たちばかりでこちらとしても気合が入ります。大勢の子供や家族に囲まれて「イラスト教室」を開催する小川画伯。忍者や侍の絵も人気でしたが、子供の顔をスケッチし、「姫」や「武士」の衣装を着せるイラストをとても好評でしたね。人気が高くて延長してしまいましたが、お客様の満足度はかなり高かったと思います。次回訪問の予定も聞かれたりと、今後とも日仏の文化イベントコラボを継続できますと幸いです。

[8] 主だった仕事も終わり、画家の聖地であるモンマルトルに訪れた小川氏。歴史あるアトリエや教会を見ながら筆を走らせます。芸術関係の方がやはり多いのか、スケッチ教室の野外写生会も見受けられます。高低差のある歩道や独特のつくりの石畳、映画の撮影にも多用される街路樹や広場、スケッチ材料にはことかきません。由緒正しい芸術の香りをかぎながらのスケッチ散策でした。

[9]小川先生の欧州スケッチツアーも最終日。最後にホテルのロビーでスケッチをし、イラストの寄贈もしました。受付のフランス人ともすっかり仲良くなり似顔絵もプレゼント。この欧州滞在での経験をもとに今後の小川先生がご活躍することをお祈り申し上げます。

[最後に]

小川先生とのスケッチツアーは私にとっても非常に楽しいものでした。ペンと紙さえあればどこでも仕事ができる「スケッチ」という芸術は場所を選ばず、見るもの、触れるものを全て対象にするのです。カフェのテラス、なにげない街角、役所の待合室、郊外の駅、地下鉄のボックス席など、至る場所で行われるスケッチの傍ら私も楽しい時間をすごさせてもらいました。また上質なアートというものは言葉や説明が要らず、相手に見せることでコミニュケーションが成立することを改めて思い知らされ、通訳コーディネーターをしている私としても、その素晴らしさに感銘を受けずにはいられません。

展示のみならず、少しでも多くのものを見ていこうと企画された今回の旅ですが、異国の様々な人々、風景を見ながら、そして人々との交流を体験したことによって今後の小川先生のアート活動のお役に立てればと思っています。

初めての欧州旅行ということで、小川先生はイタリア、ローマ到着の際に感嘆の声を上げましたが、私は空港で「小川さん、ここはまだ最初の一歩ですよ。」といいました。しかし私は彼の最終日、帰国の際にドゴール空港でもう一度「小川さん、ここはまだ最初の一歩ですよ。」と同じ言葉を言うことになります。それは今回の欧州スケッチツアーが今後、始まるであろう彼の長い国際キャリアのほんの第一歩にすぎず、これからも大きく飛躍する予感を感じたからに他なりません。

今後の小川先生のご活躍に期待します。