在仏経験10年の筆者がパリの危険なことや犯罪関連の情報を簡単に書きます。
●スリ、強盗:
スリは裕福な日系観光客の多い、オペラ、シャンゼリゼ付近に多くいます。 一回あたりの単価が高く効率的だからです。また日本人は欧米人よりも現金を持ち歩くため狙われやすいです。以前、セカンドバックごと150万円くらい盗まれたバイヤー関連の方がいました。
バイク強盗などは路上から通行人のバックを突然ひったくり、引きづられて大怪我をする日本人もいます。路肩を歩かない
ように警戒することも大切ですね。150万円といえば普通のスリの年収くらいでしょう。こういうことがあると、スリ仲間では日本人狙うと1年食うには困らないと知れ渡っているはずです。
●尾行するスリ
日本人客の買い物後に百貨店や専門店からホテルまで尾行するスリもいます。
地下鉄で多いのは他人の振りした2人組コンビです。 他人のフリをして左右からターゲットに近づき、実行犯がスリをします。
その後、サブ役に財布をわたし、サブ役はどこかに消えます。 実行犯を運良く捕まえても、何も持っていないとシラを切るいうやり方です。 実際彼らコンビは同じ駅の中で10分後くらいに待ち合わせるはずです。片方を尾行したら見つかりますが、危険なのでお勧めしません。 実行犯は兄貴分で、サブ役の方は気弱な人が多いそうです。
●強盗・暴行
暴力を振るうスリ(これはもう強盗ですね)もいます。
暴力を振るうと一瞬相手がショックで硬直するので、奪いやすいのが理由だそうです。 こうなると被害届けをしたときの警察の対応も一段上(本腰)になります。 催涙スプレーで襲いかかったり、エンジニアブーツで女性顔面をいきなり蹴り上げます。暴行はスリよりも罪が重いので警察の対応もモンタージュ照合などのレベルになります。
●街を徘徊するジプシー
「お金ください」とかというジプシーの人が触ってきたら要注意です。触っている手はおとりで、もう片方の手でターゲット(財布とか)を
とりにきています。フェイント仕込みです。
●足の速いスリ
スプリンタータイプもいます。 ひったくって走るのですが、これがとても早いです。追っ手をかわすために必ず左折、右折を繰り返します。 対策は追いかけながら、周りのフランス人に捕まえてもらうこと。 意外と手を貸してくれますよ。
●睡眠薬強盗
睡眠強盗もいます。寝台列車やバーで出会った相手の飲み物は要注意です。男性も女性も被害に遭います。飲み物にクスリをいれて おきたら所持品0で病院のベットの上です。加減しないので ときには命の危険もあります。飲み物というのは無防備な体内に異物を摂取することなので用心したほうが良いですね。
●バイク強盗
バイク強盗は幅寄せして通行人のバックをひったくります。 そのまま数m引きづられて傷だらけになった観光客もいます。
対策は道路側にバックを持たないことです。 バイク強盗の別バージョンは、郊外の道路で、スパナとかで、送迎車の後部座席の窓を割り、中のバックを奪います。 対策は送迎車内ではバックは足元に置き、見えないようにすることです。
●その他
「ナカタ」「コンニチワ」などとなれなれしく日本語で近づいてくる人はかなり怪しく、スリの可能盛大です。
タバコ半額で売るよとかっていう道端の売人は金だけ取って逃げる人が多いです。※逃げない人もたまにいる。
備考:
ちなみになぜ、私がスリのことをしっているかというと、毎日盗まれまくっているからではなく、
スリ職と話したり、スリを尾行したり、怪しい店を観察したり、被害者に付き添って警察に行っているからです。
まぁこのように書きますと、フランスってかなり危ない国だな、と思うようですが、同じような事件は日本や他の国でもおきてますので、
実はあまり変わらないような気がします。 ただ外国にいると、土地勘がないので、警戒しにくいんですよね。 それが外国は危ないという話になると思います。
余談ですが、イタリアの有名なスリチームは日本人観光客をカモに、かなり荒稼ぎしていました。そこでそこのリーダーは日本にスリ旅行を企画し、莫大に儲けようと考えましたが、結果は惨敗でした。 なぜかというと日本国内ではイタリア人の方が不自然に目立ち、動きづらく、また海外では狙われやすい日本人も自国なので、隙が全くないという状況だったからです。
そのスリ旅行は大赤字だったようです。
最後に:
外国では犯罪への用心や準備は必要ですが、必要以上に心配ばかりしていると、せっかくの旅行や滞在が楽しくなくなりますので、適度に用心するくらいが良いかと思います。